自律神経のしくみと風邪

2019年6月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.1

自律神経のしくみを知っていますか?

参加者の「こんなことを聞きたい」という疑問質問にお答えしながら進めていきます。

  • 力の抜き方
  • もやもや感と胸のつまり
  • 朝もう少し寝られたらと思うけれど…
  • 背骨呼吸法のやり方

などなど。

自律神経のはたらき ― 風邪は薬で治らない!?

自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」に分かれます。

交感神経というのは、心と体が動くようにするための神経です。
副交感神経というのは、眠ったり、静かにする神経です。
動いた後の体の疲労や傷の回復、病気の回復など、治す神経なのです。なので、副交感神経がきっちり働かないと、病気は治らないのですね。

わかりやすい例を言うと…皆さん風邪をひきますよね。
風邪をひくと大変じゃないですか、熱が出たり、鼻がぐずぐずいったり、咳が出たり。

そうすると、風邪薬を飲みますよね。
風邪薬というのは、実は風邪を治す薬ではないんですね。
風邪の症状を抑える薬なんです。
では風邪の症状とは何かというと、副交感神経が活発に働くことで起きている症状なんです。
「体から何か外に出てくる」というのは全部、副交感神経によるものです。
鼻水とか涙とか、よだれとか。あとは胃液、大腸の中で出る分泌物とか、そういうものは全部、手の汗は交感神経なのでそれ以外は全部、副交感神経の働きで起きているものです。

風邪薬は症状を抑えるもの

風邪で鼻水がダラダラ出てくると困るので、お薬を飲みますよね。
これは、副交感神経が活発に働くことによって風邪を治そうとしているのを、抑える役割をしてしまっているわけです。
確かに症状は抑えられるのですが、副交感神経が働きすぎているのを、薬で強引に止めてしまって交感神経を働かせているわけです。
だから、薬には「カフェイン」が入っているのです。

このように副交感神経というのは、たくさん働くと困るときがあるわけです、日常生活のうえで。
でも本当は、風邪も寝てれば治るんです。
薬を飲むと治りが悪くなるのは、副交感神経が働きにくくなってしまうからなのです。
症状は治まるけれど長引くというのはこういうことなのです。

人間の体は38度を超えると免疫のスイッチが入り、「ウイルスをやっつけるぞ」と、ものすごく活性化するのですが、38度というのはつらいので解熱剤を飲んでしまうんです。
37度台、36度台まで落としてしまうと、今度は免疫のスイッチが入らないからウイルスをやっつけられないのです。
そのまま(ウイルスをやっつけられないまま)いくと、また熱が上がってくるわけです。
解熱剤が切れれば熱が上がる。
これをまた、薬で抑える。
ずっとウイルスをやっつけられないままなので、風邪が長引く。
というようなことが起きるので、副交感神経というのは、活発に働かせなければいけないときがあるのです。

交感神経がストレスに抵抗する

では、交感神経というのはどういうときに働くかというと…ストレスがあると交感神経が働くようになっています。
「ストレス」というのは何かというと、イコール「刺激」とか「変化」なのです。

例えば、こういう(勉強会の)ところでいきなりこんな音がすると(手を叩く音)「あれ、何だ?」となって変化が起きますね。
一瞬、人によっては心拍数がちょっと速くなったり血圧がちょっと上がったりします。
こういうのもストレスですし、暑い、寒いもストレスですし。
ストレスは4つあるのですが、それはあとでお話ししますね。

このように、ストレスによって交感神経が働き、ストレスに抵抗できるように脳と体を準備するわけです。
これができないと、ストレスに負けちゃうのです。
「私ちょっとストレスに弱いなあ」という人は、(ストレスに対する)対処方法が上手くないのか、あるいは交感神経が働いていないのか、どちらかです。

だから、交感神経も働かなくちゃいけないし、副交感神経も働かなくちゃいけない。


自律神経