血流の乱れは自律神経の乱れ

2019年9月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.1

自律神経の基礎知識

今日は皆さんにいろいろ…いろいろ知っておくと、やっぱり体の症状とか心の症状とか、非常に効果のある対策をご自分でできますので、そういうことを今日はお話ししようと思うところなんですけども。

人それぞれに症状が違うと思いますので、今どんなことに困っているのか、どんなことを知りたいのかということを、最初に僕のほうから質問をしますので。
パスもOKですので。
皆さん、リラックスしてくださいね。
気軽に聞いていただければと思います。

参加者が困っていること、知りたいこと

  • めまい、歩いているときにフラフラして気持ち悪くなる
  • 朝起きるのがつらい、起立性低血圧、午前中動けないときがある
  • 夜寝付けない、しゃべりづらい、疲れやすい
  • うつ、何事に対しても緊張・不安を感じる、体の緊張
  • 体の痛みで寝られない、緊張すると腹痛

自律神経が乱れると血流不足になる

皆さん、「自律神経」というのはもうご存知ですね。
「交感神経」という神経と、「副交感神経」という神経と、2種類の神経がありますね。

簡単に言うと、この神経のバランスが崩れたり、働きにくかったりすることで、皆さんの症状は起きます。
じゃあどういうことが起きているかというと…まず交感神経から説明しますと、「交感神経」というのは、働いたり動いたりする神経ですね。

「副交感神経」というのは、リラックスするという感じですね。
そのときというのはお腹・内臓が動いていたり、血液の流れが隅々まで届いたり。
簡単に言うと、休んだり、休息・回復させたりする神経ですね。
眠るのもそうです。
睡眠も副交感神経の働きなので、「眠れない」というのは「副交感神経が働いていない」という状態ですね。

じゃあ、なぜ働かないのか?ということからお話ししますね。

ちなみに例えば「めまい」というのは、交感神経が緊張して…交感神経が緊張すると血管が細くなるんですよ。
そうすると、血液の流れる量というのは少なくなりますよね。

で、血液というのは重要なものを運んでいて、それは「糖」と「酸素」なんです。
糖と酸素が神経に行かないと、いろんな細胞、神経細胞を含めた細胞に行かないと、そこの部分が働かないんですね。

「歩いていてフラフラする」というのは多くの場合…「小脳」という場所があるんですね。
脳というのは三層構造になっていて、内側の層の後ろにくっついているのが小脳です。
ここに血液があまり流れない状態になって、本当に流れないと「梗塞」になってしまいますけど。

そこまではいかない、交感神経が働きすぎとか長く働いていると血管がキュッと細くなって、血管も筋肉なんですけど、キュッとなったところは血液の流れが悪くなって糖と酸素が行かなくなるんですね。
それが小脳で起こると、フラフラしちゃうんです、簡単に言うと。

小脳だけじゃなくて筋肉の問題とか平衡感覚とかいろいろあるんですけども。
先ほどのお話を聞く限りだと、おそらく小脳だと思いますね。
小脳の部分に血液が行かなくなって、糖と酸素が行かなくなると、フラフラしちゃうんですね。

血流と痛みの関係

で、「痛み」というのがありますね。
首肩の緊張、顎、背中、腰とか。

多くの場合これは、酸素が足りなくなることで、痛みを感じる神経が、痛みを感じやすくなっちゃうんです。
そうすることによって、本当は痛くないのに、ズーンと痛む。

皆さん、正座したことはありますよね。
正座をしていると、だんだんだんだん脚がしびれてくるじゃないですか。
しびれって、その(痛みの)前兆で、しびれをずっと無視していると、今度は脚が痛くなりますよね。
あれって、膝のところの「総腓骨神経」というのがあるんですけど、それが血管ごと折れ曲がっちゃうんですよ、正座をすると。
そうすると当然、血液の流れが悪くなっちゃいますよね。
だから、この辺(そけい部)はしびれないのに、(膝の)折れた先からしびれてきて、最終的には痛みが出て、麻痺してきちゃう…というのが、「酸素が届かないことによって痛みが起きている」という状態なんですね。

それが、顎で起きると「顎が痛い」となっちゃう、首で起きると「首が痛い」となっちゃう。
腰で起きると、腰が痛くなっちゃう。
正座は物理的に血液の流れを塞いじゃっているんだけども、交感神経がだらだら働いてたりとか、夜なんてもう交感神経は働かないようにならなければいけないんだけれども、夜でも働いていたりすると、血管が細くなって痛みが出てきちゃうわけです。

痛みと筋肉の緊張

参加者Aさん「自分は痛みと共に張っているような気がするんです」

そうですね、痛いと筋肉が緊張してきちゃいますね。
痛いときにだらっとは出来ないですね。

痛いと「あー痛い」と言ってうずくまったりして、この緊張がまた血管を押しつぶしちゃうわけです。
筋肉の中を、血管が貫いていたりするわけですよ。
そうすると、その筋肉がギューッと緊張しちゃうと、中の血管がつぶされちゃうんですよ。

そうすると、(交感神経によって)ただでさえ細くなっているのに、さらに細くなっちゃう。
そうすると、痛みが出てくる。
そしてまた痛みでギューッとなる…という悪循環になります。

例えばお風呂に入ったときってちょっと(痛みが)和らぎますよね。
お風呂に入ると温度が上がってくるので、交感神経が緊張しているんだけど、それよりも温度調節が必要なので、血管が拡がるんですね。
そうすると血液の流れが良くなりますね。
すると、少し楽になった感じがする。

だから酸素が回っていないと、痛みになっちゃう。
痛むと、緊張しちゃう。
緊張すると、また血管を挟んで酸素が足りない。
この繰り返しになっちゃうんですね。

なので、例えばずっと寝られないで、ベッドの中で3時間も4時間もいる。
そういうときに、1回起き上がって、ベッドから出て体を動かしてあげるんです。
ラジオ体操とか、首回したり肩回したりとか。
いろんな動きをしてあげると、血液の流れが良くなりますよね。
1回そういう風に動いちゃったほうが、眠れることもあります。
それでも眠れない場合もあるんですけど。
1回そのように血液を流しちゃうというのも、重要なところですね。

自律神経のバランス

「じゃあ、何で交感神経が緊張しちゃうの?」という話なんですけども。
交感神経と副交感神経の働きのバランスというのは、こういう(2つの波線が交差するような)かたちになっているんですね。

交感神経が上がるときは、副交感神経が下がるんです。
副交感神経が上がるときは、交感神経が下がります。

交感神経が最大まで上がっている時間というのはだいたい12時から14時だとします、人によって違ってきますがだいたい昼間です。
副交感神経が上がっている時間はだいたい、22時から24時としましょう。
要するに、昼と夜なんです。
昼間は、働いたり動いたりしますね。
だから、交感神経が活発になります。

交感神経がちゃんと夜に鎮まらないと、副交感神経が働かないので、リラックスしたり眠ったり、回復したりが出来なくなっちゃう。
つまり、交感神経が下がらないんです。
交感神経が下がらないと、副交感神経は上がらないです。
こういうことが起きているわけですね。


自律神経