姿勢と自律神経

更新日:2022.09.01

執 筆:整体師 飯島淳

姿勢が良い方がいいのは百も承知。
姿勢によって、自律神経も良くも悪くもなります。
姿勢と自律神経の関係についてお話ししていきます。

姿勢が自律神経に与える影響

自律神経は、精神的な部分・肉体的な部分の両方から影響を受けます。

イライラしていたら、交感神経という緊張モードは高まります。
愛情に包まれていたら、副交感神経のリラックスモードが高まります。
精神的な部分による自律神経の反応はとても大きなところです。

それと同じく、肉体的な部分によって自律神経は大きく反応します。
姿勢がこれに当たります。

自律神経は、脳から背骨を通り体の隅々までに伝達されています。
首や背中が歪むことで、神経伝達も正常に送られにくくなります。
なぜなら、歪むことで左右の筋肉の緊張に差が生じます。その筋肉の緊張度によって、脳に送られてくる情報が左右の脳で違ってきます。
興奮という情報が伝達されれば、交感神経は今まで以上に高まることになるのです。
歪みが続いていると、筋肉からずっと興奮という情報を送り続けられることになり、自律神経のバランスを崩す原因になります。

例えば、パソコンをずっと使っていると、ついつい前のめりになります。
首・頭は前にかがみ、背中は猫背になっていきます。すると、首や背中の筋肉の緊張は、とても強くなっていきます。
これらの筋肉の緊張が続くことで、交感神経の緊張度は上がってしまいます。

姿勢をキープするには、筋肉を使います。
悪い姿勢のまま筋肉の緊張が続くことで、呼吸は浅くなります。
浅くなった呼吸が続くことで、脳に酸素が送られず、自律神経の緊張はさらに高まってしまいます。

姿勢の状態によって、筋肉の使われ方に負担が起こり、呼吸まで変えてしまいます。
そして、これらのことで、自律神経にとても大きな影響を及ぼしてしまうのです。

姿勢次第で心持ちも変化する

姿勢による脳への情報の伝達によって、自律神経の状態は大きく変わります。
ということは、姿勢が良いと心持ちも安定しやすくなるのです。

例えば、不安が強い方がいたとします。
姿勢が悪いことで呼吸も浅くなり、筋肉の緊張度も高まります。
このようなケースでは、不安はもっと強く感じられます。

この時に、姿勢からのアプローチで不安を弱めるのです。
呼吸がしやすい良い姿勢を取り、筋肉の緊張を緩める。
このことで、自律神経の緊張度が弱まり、不安が弱まります。

不安やイライラといった精神的な部分も、姿勢の変化によって、自律神経の状態を変えられます。
土台となる足の裏がしっかり地面に着いていると、不安は和らぎやすくなります。
極端に言うと、片足立ちでは、不安は弱まらないのです。

楽しそうな人は、楽しそうな表情や姿勢をするものです。
落ち込んでいたり、イライラしている人は、見るとなんとなくわかったりします。

自律神経の状態は、姿勢にも表れます。
ですから、姿勢を変えることで自律神経を良くしましょう。



自律神経