負の感情を出さないと、喜びや楽しみを感じにくくなる

2019年6月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.5

No.4では、自分の枠組みを外してみることの重要性についてお伝えしました。
ここでは、参加者の質問にお答えしながら、感情の出しかたや喜び・楽しみを感じるために必要なことについてお伝えしていきます。

プラスの感情が出てこない

何かご質問はありますか?

参加者Aさん「体調を崩してから、何か楽しいこととか気持ちが上がるようなことをやって、ちょっと気分転換をしようかなと思うときが結構あるんですけど。でもこういう風になってから、自分の中で「喜び」とか「楽しみ」とかっていうそういうプラスの感情みたいなものがあまりうまく出てこないというか、なんか心が死んでいるような感覚がすごくあるんですよね。「怒り」とか「イライラ」とかそういう負の感情は2倍3倍になって出てくるんですけど。そういう「喜び」とか「楽しみ」とかの感情が全然うまく出てこないので。やっぱり今お話にあったみたいに、いろんな所が遮断されすぎているからそういう感じになるのかなと…」

抑え込んできた感情が溜まって邪魔をする

遮断もされるんですけど…本当は感情に「負」なんてないんですけど、一応ここでは「負の感情」としておきますね。
負の感情というのは、今まで抑え込んでいたから、たくさん溜まっているんですね。

「喜び」とか「楽しみ」とかっていうのはそんなに抑え込まなくてもいい感情ですよね、社会で。
なので、負の感情の下に行っちゃうんです。

参加者Aさん「何か楽しいことをやっても、100パーセントで楽しめてないんです。20パー30パーくらいしか楽しめていない自分がいる感じが…」

これ(負の感情、喜び・楽しみ)は、壺のようなもの中に入っているんです。
上(負の感情)を出さないと、下(喜び・楽しみ)は出てこないんですよ。

参加者Aさん「上を出すのがすごく難しいです…」

まず負の感情を整理する

例えば、一般的な言い方での「負の感情」を感じた時に、「誰に対してどんな感情があるのか」を紙に書き出してみます、とりあえず。

「道で誰かにぶつかられた、相手は挨拶もしないで行った。それでイラっときた」というときに、書いてみる。
そのときに、何か例えば子どもの頃に兄弟げんかをしたことを思い出した、そしてイラっとしたとして、誰にどんな感情、お父さんお母さんにイラっとしたとか、そういうことを全部書き出してみる。

そうすると、「負の感情」として一括りだったものが、「この人に対する○○な感情」「あの人に対する✕✕な感情」など分かってくるわけです。

そこで、次のステップとしてそれらを出す、出さないという話になってくるんです。
まずはその負の感情を整理することです。
「あ、私はこの人に対してすごくこんな気持ちがあるんだ…」と。

負の感情のあとに出てくるものは…

僕がカウンセリングをやっていてよくあるケースですが、お母さんとかお父さんに対してものすごく怒りを持っている人がいます。
その怒りの感情をカウンセリングの中で出していきます。

そうすると、今度はご両親に対しての感謝の気持ちが出てくることがあるんです。
でもこれ(怒り、負の感情)が出ないと出てこないんです、感謝の気持ちは。

上が出ていくと、「そういえば…私がインフルエンザのとき、ずっと見ていてくれた」とか、本当に小さいことなんですよ。
だけど、こっち(負の感情)が大きいから、感謝の気持ちとか、楽しい気持ち嬉しい気持ちを押しつぶしてしまうんです。
上を出してあげると、「こんなこともあったんだ、そうだ」という風になる。

(質問者の方が)そんな風になるかはわからないですけど…千差万別なので。
でもこの負の感情というのをちゃんと整理して、「誰に対してどんな感情があるのか」、もちろん一人の人に対してAという感情、Bという感情、Cという感情、いろんな感情があります。
当然プラスもあればマイナスもある。

こういったことを、少しずつ丁寧に整理していくと、「昔の自分が感じていたことを、ちゃんと感じ尽くしてあげよう」というひとつのステップになるわけです。

そして、これ(負の感情)が出ていくと、ちゃんとこれ(喜び・楽しみ)も感じられるようになる。
「20パー30パー」と仰っていましたけど、上がでれば30パーセント、もっと出れば50パーセント…となっていくわけです。