休むことと自律神経

更新日:2021.08.06

執 筆:整体師 飯島淳

だるさ・息苦しさ・不眠・めまいなどの自律神経症状が出ている時には、「しっかり休みましょう」と言われることが多いと思います。
しかし、休むのが苦手な方が自律神経を乱してしまうケースをよくお見掛けします。
今一度、「休むとは?」について考えてみましょう。

休むには副交感神経の働きを強化する

働き過ぎて自律神経を乱してしまう人。
ストレス過多になり自律神経を乱してしまう人。
どちらも、交感神経の働きが過剰になってしまうことが多いです。

このような時には、副交感神経を働かせて、休息・リラックスモードにすることが必要です。
副交感神経の働きは主に、血管を拡張する・血圧を低下させる・心拍数を低下させることです。
そして、胃腸の働きは促進されます。
深く眠ることで体が修復されていくので、深く眠るためにも、副交感神経をしっかり働かせなければなりません。

「しっかり休む」ことを考えるならば、まずは副交感神経を働かせるための行動から始めてみましょう。

基本的なことになりますが、

  • 腹式呼吸の精度を上げてたくさん行う
  • 体の力を抜く

ここから始めましょう。
簡単なことなので、やっている方も多いと思います。
しかし、精度がどのくらい高いかが重要です。
やっているつもりになっている場合も多くあります。
また、交感神経の緊張が強い方の中には、力を抜くことがとても苦手な方がいます。

スポーツも、基本の形がしっかりしている人は、上達しやすいです。
同じように、休むための基本となる副交感神経を上手く働かせれば、回復しやすくなります。
まずは、「腹式呼吸」と「体の力を抜く」、この2つをしっかり行いましょう。

休む方法

休もうとしていても、交感神経の緊張を抑えられていない場合があります。
休むためには、交感神経を過剰に緊張させないことが重要です。

自律神経症状が強く出ている方は、特に交感神経の緊張には気を付けなければなりません。

例えば、休職中に

  • 1日家にいることは良くないことだと思い込み、無理矢理散歩に出かける
  • 怠けてはダメだと思い、ジョギングをする

など、エネルギーが余っていない場合でも、良かれと思い動こうとする方がいます。
思考のクセで、しなければという反応を優先してしまい、体の状態を二の次にしてしまうのです。
体は辛いが、いつまでも家族や仲間に頼っている訳にはいかないという心理でついつい行動を起こしてしまいます。

また、パソコン作業が多い方は、ブルーライトを極力避けましょう。
休んでいる時間にスマホでネットを数時間見たりすると、脳の緊張に繋がります。

これらの行動は、交感神経の緊張を生んでしまいます。

回復するためには、自分で決断した「休むこと」を受け入れて、真摯に体と心を休ませる必要があります。
体調を崩したこれまでの自分の労をねぎらい、これからの自分が休む時間を尊重してあげましょう。
交感神経の緊張が起こりやすい刺激・思考・行動を避け、時には何もしない時間を作りましょう。



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