体の動きを変化させて自律神経を整える

更新日:2020.10.02

執 筆:整体師 飯島淳

うつや自律神経失調症など、心に不調をきたした時に、どこからアプローチをするのがよいでしょうか。
心療内科・精神科・カウンセリング・各セラピー等、選択肢はたくさんあります。
今回は、心理的なアプローチではなく、体からアプローチをすることの重要性について話していきます。

体は表現が上手い

赤ちゃんは、言葉でのコミュニケーションが取れません。
その代わり、泣くことや、ほほ笑むこと、言葉にならない音を発することなどで、自分の気持ちを表現します。
体の表現によって、相手に何かを知らせようとしているのです。
そして、それは相手に伝わります。

落ち込んでいる時、顔は下を向き、表情筋の動きは少なくなります。
楽しい時には、表情筋は柔らかく動き、笑みを作りやすい状態になります。
イライラしている時には、表情筋は落ち着きのない動きになり、また、その動きはなめらかではありません。そして、呼吸は浅く速くなりがちです。

このように、体の動きは無意識に起こっています。また、体の動きは、心の声を表現しているのです。
筋肉・呼吸・姿勢・目線・声などに心の声が反映し、あらゆる体の動きに現れてきます。
逆に、体の動きが心を動かすこともあります。

心の声で現れる体の動きは無意識に起こるので、自分でも気が付かないことの方が多いです。
ただ、体は素直に表現してくれるので、分かりやすいともいえます。
生まれながらに人間に備わっている、無意識に起こる体の動きを気にかけてあげましょう。

体から変化を起こす

ストレスがあると、気分が落ち込んだりイライラしたりします。
すると、体は交感神経が優位に働きます。
このときの体の状態に対して、自律神経を変化させる作戦を考えましょう。

1.筋肉

筋肉は緊張した状態になります。
そこで、整体などにより筋肉を緩めていくことで、副交感神経が働くようにしていきます。
すると、イライラの軽減に繋がります。
自分でストレッチをするのも有効です。
筋肉が緩むことによって、交感神経の過剰な活動が軽減されます。

2.呼吸

横隔膜が緊張すると、呼吸が浅くなります。
背中の筋肉が緊張すると、肋骨の動きに支障が出て、これも呼吸の浅さに関係してきます。
この、浅く速い呼吸を、出来る限りゆっくりと深い呼吸にすることで、イライラが軽減されます。
そして、深い呼吸をすることで、脳に酸素がしっかり入って、リラックスしやすくなります。

3.姿勢・目線

猫背や、顔を下に向けた姿勢でいると、気分の落ち込みや不安感が出やすくなります。
会話をしたり音楽を聴いたりする時にこのような姿勢でいると、ネガティブな方に受け取りやすくなってしまいます。
先ずは、背筋を伸ばして、顔・目線を上げ、正面を向きましょう。
凛とした姿勢で目線を上に持っていき、ネガティブな感情を消し去りましょう。

4.声

小さく聞き取りにくい声になっている時には、気持ちも沈みがちになってしまいます。
意識的にのどの奥をしっかり開きましょう。
大声を出すことや、息を大きく吐くことで、のどの筋肉を活性化させてください。


これらのように、体の動きで自律神経に変化をもたらしましょう。
体は、本来どう表現したがっているのでしょうか。
大人も、初めはみんな赤ちゃん・子供だったわけで、素直に体で表現する能力があるはずです。
是非、体が喜ぶ動きをしてあげてください。



自律神経