心と体は繋がっている

更新日:2025.09.11

執 筆:整体師 飯島淳

「気分が落ち込みがち」
「やる気が出ない」
「不安感が強まる」
こうした不調は心の問題と思われがちですが、心だけではなく、体からの反応によっても起こります。

今回は、体を整えることで心が変わることについてお伝えします。

脳が自律神経をコントロール

「最近、なんとなく気分が落ち込む」
「体がだるくて動きたくない」
そんな不調の背景には、自律神経と脳の関係が隠れているかもしれません。

自律神経は、私たちの意思とは関係なく、心拍、呼吸、血圧、消化、ホルモン分泌などを調整してくれる大切なシステムです。
そしてその働きをコントロールしているのが、「脳幹」や「視床下部」。
ここで、交感神経による反応か、副交感神経による反応かを決めて伝達していきます。

脳幹は、生命維持に不可欠な呼吸や心臓の働きを支える場所。
視床下部は、ホルモンの分泌を通じて体温調整や食欲、睡眠・血圧などを調整する場所です。
つまり、脳幹と視床下部がスムーズに連携してこそ、自律神経は安定し、私たちは心身のバランスを保てるのです。

ところが、ストレスや環境の変化、生活リズムの乱れなどが重なると、このバランスが崩れます。
例えば、
「夜、布団に入ってもなかなか眠れない」
「急に胸がドキドキして息がしづらくなる」
「理由のない不安に襲われる」
といった症状が出てきます。

これらはすべて、自律神経の働きと深く関わっています。
強い不安や緊張は交感神経を優位にし、心拍が速くなったり呼吸が浅くなったりします。
逆に、疲労が続いて副交感神経がうまく働かないと、休んでも疲れが取れず気分も沈みがちになります。

心の状態は体に、体の状態は心に、必ず影響します。
これは「気のせい」ではなく、脳と自律神経の仕組みそのものなのです。

体を変えることで自律神経にアプローチ

回復のヒントは「心」だけでも「体」だけでもなく、その両方にあります。

整体で体のゆがみや呼吸の浅さを改善すると、脳が安心し、自律神経が整いやすくなります。
特に頭蓋骨のゆがみは、脳に大きな影響を与えます。
頭蓋骨のゆがみを整えることによって、脳への血流が改善し、疲労が取れやすくなり、自律神経のシステムも安定しやすくなるのです。
さらに、深い呼吸、姿勢の改善、やさしい運動など、体へのアプローチは、心の安定へつながります。

脳は「安心・安全」を感じると、自律神経を通じて全身に「休んでいい」というメッセージを届けます。
すると、気持ちも落ち着き、眠りやすくなったり、胸のドキドキが減ったりと、少しずつ体も心も元気を取り戻していくのです。

体が元気になってくると、気持ちに余裕が生まれ、これまで不安に感じていたことが「なんとかなるかもしれない」と思えるようになります。
興味ややる気も少しずつ戻り、外に出てみたい、人と話してみたいという前向きな感情が自然と湧いてくるのです。

心が回復することで、さらに体も軽くなり、良い循環が始まります。



自律神経