体力は「自律神経の力」

2019年9月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.4

No.3では、4つのストレスを減らす方法について具体的にお伝えしました。
ここでは、疲労回復のしくみや、体力をつける方法についてお伝えしていきます。

疲労回復のしくみ

疲れたときに出てくるうつ症状を改善するには…?

参加者Bさん「私は5月までずっとうつで、6月から少しずつ動けるようになってきたんですね。でも体力が戻らないので、家事とかやらなきゃいけないのをやって、その後、疲れてごろっとした時にちょっとうつが襲ってくるような感じがあるっていうのは、やっぱり運動してないからで…動いた方がいいのでしょうか」

動いた方が良いんですけど、家事をやっていますので。
その家事が、まだちょっと量が多いかもしれない。
だから例えばその家事を半分くらいにして、休む。
では、「どうやって回復させていくか」というのをやっていきますね。

参加者Bさん「そのうつが襲ってくる感じがすごく嫌なので、それを防ぎ、そしてきたときにどうしたらいいのかっていうのを知りたいです」

自分の「代謝能力」と「体力」に応じた刺激量が必要

そうですよね。
この(さっき皆さんが挙げた)症状すべてに言えることなんですけど…この「4つのストレスをなるべく少なくしましょうね」と言うんですけど、さっき言いましたがストレスというのは、いわゆる「刺激」ですよね。

刺激って、良い場合もありますよね。
簡単に言うと、「適切な刺激量」ということが大事なんです。

ストレス、刺激が加わると、ここで「代謝」というのが行われます。
代謝ってわかりますか?
先ほどの質問だと疲労回復にあたります。
代謝が正常に行われると、刺激が1だったとすると、体力が1プラスされます。

仮に刺激の単位が100だったとすると、ちゃんと100の刺激を受けて代謝がちゃんとされると、体力というのは101になります。
これを「超回復の原則」と言います。
なんとなくわかりますよね、例えば30分歩くのがきつかったんだけど、毎日歩いていたら30分は余裕になってきた。
運動していてもそうですね。

だから、「刺激」と「代謝」のサイクルがちゃんとなっているかどうか。

そうすると、「家事」というのは「刺激」ですね。
で、「代謝」というのは寝ている時ですね。
「うつが襲ってくる」ということは、簡単に言うと「体力がなくなっている」ということです。

なので、この「代謝」の力、これもちょうど100だとしましょう。
そうすると、この刺激で受けた傷を代謝がちゃんと治してくれると、体力が上がるわけです。
体力が101になったら今度は代謝も101になります。
そうすると今度は101の刺激量まで頑張れます。
刺激が101になって代謝も101出来ると、今度は体力が102になります。
そうすると代謝が102になって…今度100の刺激が来た時に、余裕が出てくる。

だから、4つのストレスというのも1回下げなきゃいけないんですけど、回復期には少しずつ上げていく必要があるわけです。

「体力」=「自律神経の力」

例えば、休職していたとしましょう。
休職している間はストレスが下がりますね、通常は。
そうすると回復しますよね。

でも体力が上がっていなかったら、また会社に行っても、また病気になっちゃうわけです。
だから、体力を上げなきゃいけないんです。

で、「体力って何か」と言いますと、これが「自律神経の力」なんですよ。
どれだけ交感神経が働くか、どれだけ副交感神経が働くか。

交感神経がたくさん働けば働くほど、ストレスに対する抵抗力が高まるんです。
交感神経があまり働かない人はストレスに弱いんですね。
逆に、ストレスには強いけど、回復が遅いという人もいるわけです。
そういう人は、副交感神経が働かないんですね。
だから、眠れないとかそういうことが起きちゃうんです。

なので、ストレスに強くなるには、交感神経が高まらないといけない。
ストレス(刺激)を受けた時の代謝は、前半が交感神経、後半は副交感神経が行いますので。
前半で耐えて、後半で回復するという感じですね。

なので、やっていた家事ですごくだるくなっちゃうということは、まずはその半分にしてみるとか。
そこから少しずつ上げていく。

参加者Bさん「午前中家事をやって、お昼ごはんのあと必ず昼寝にしなきゃいけないくらいのことが多かったということですかね」

その昼寝をして回復するかどうかですね。
昼寝しているのが(代謝の)後半、副交感神経です。
お昼寝をしなくちゃいけないというわけじゃなくて、お昼寝をしたあとに回復するかどうか。

次の日に、前日の疲れが残っていないかどうか、ということが重要です。
残っているとすると、それは前日の刺激が多かったので、今日の刺激は少なくしておこうと。

例えば前日100で多かったとしても、今日50にしておけば良いということですね。
こういう風にして毎日を調整していくわけですね。