感覚過敏を自分で和らげる

更新日:2022.07.07

執 筆:整体師 飯島淳

音やまぶしさ・匂いなど、感覚過敏でお困りの方がたくさんおられます。
感覚過敏を和らげるための対策をお話ししていきます。

感覚過敏の種類と原因

感覚過敏といっても人により様々違いがあります。
感覚過敏の種類と主な症状を挙げてみます。

  • 聴覚過敏
    人の声や物音がうるさく感じる。
    ある音が気になって仕方がない。
    急に呼ばれると、びっくりする。
  • 視覚過敏
    パソコンやスマホ等、ブルーライトで目が異常に疲れる。
    外に出た時の太陽の光がとてもまぶしく感じる。
  • 触覚過敏
    洋服の裏地が皮膚に当たるのが不快・痛い。
    他の人より痛みを強く感じる。
  • 味覚過敏
    味がとても濃く感じる。
    辛い物などの刺激物を食べるとき痛みを伴う。
  • 嗅覚過敏
    特定の匂い(香水や体臭など)が苦痛・気持ち悪くなる。
    他の人が気付かない匂いを感じる。

感覚は、脳で感じています。
その脳が、ストレスや疲労・寝不足などで自律神経が乱れ、興奮が高まることで、感覚の神経が過敏になってしまいます。
いつもは何も感じない光が、とてもまぶしく感じるといった具合になります。

うつや自律神経失調症、また発達障害の方に感覚過敏の症状が出るケースがあります。
そして、体の状態が悪くなった時に、感覚過敏も強く表れます。
過敏なものは、1つだけの人もいれば、複数ある人もいます。
自律神経の状態を整えていくことが、感覚過敏を和らげるには必要になってきます。

また、過敏に感じるものを避けることも必要です。
大きな声が苦手であれば、家族や話せる人には話しておくことで、その影響を受けにくくしましょう。

感覚を正確に感じる

感覚過敏を和らげるには、先ず自律神経の興奮を落ち着かせることが必要です。
腹式呼吸や、筋肉緊張を取り除くことが有効です。

自律神経の興奮によって感覚過敏が起きている方は、筋肉が緊張していることがあります。
この筋肉の緊張は無意識のうちに起き、常に力が抜けない状態にあります。
この時、意識的に筋肉の力を抜く練習をしましょう。

両肩を上げてから、スッと下げる。手をグーにしてから、パッと広げる。
仰向けになり、手や足を3センチぐらい上げてから、ストンッと床に落とす。

筋肉の力を少しずつ抜く感覚を身につけることで、その情報が脳に届きます。
その情報は、脳を興奮させません。
筋肉の力が抜けている状態が続けられれば、脳の興奮は弱まります。
それにより、感覚過敏を和らげましょう。

そして、感覚を正しく感じるといったトレーニングも有効です。

  • 目を閉じて鏡を見ながら、両手を水平に上げてみる。
    水平だと思うところで、目を開けて水平か確認。
  • 10円玉と100円玉を用意し、目を閉じて指でつかむ。
    どちらをつかんだか当てる。

筋肉や関節・皮膚・音など、感覚をトレーニングするのに負担なく、分かりやすいところから行いましょう。
体の力みを取り自律神経を整える。そのことで感覚過敏が和らぐことを感じられれば、日常でのストレスも大きく減ることでしょう。