無意識領域に意識的な刺激を加える

更新日:2020.07.03

執 筆:整体師 飯島淳

意識と無意識。脳の情報は、圧倒的に無意識のものが多いです。
不安や恐怖は、無意識でも起こります。
今回は、この無意識領域に行うアプローチの話をしていきます。

無意識での情報

日々体のことを感じているのは、ほんの少しの情報です。
このほとんどが無意識で処理をされています。
例えば、朝布団から起きて顔を洗いに行こうとした時、特に色々考えずに行っていると思います。
立つ・歩くなどの行動も、無意識に動かせているのではないでしょうか。
「右足を前に出した後、左足を出そう」と、意識的に行っている人はほぼいないでしょう。


  • 筋肉をどのくらいの長さに調節するのか
  • 関節の位置がどうなっているのか

これらは、小脳で無意識に調整します。
この小脳の機能異常で、筋肉や関節の調整が上手くいかないと、ふらつきが起こります。

体を動かすのに小脳を使うため、とても重要な場所となります。
小脳で一度しっかり覚えた情報は、無意識でも体を動かせます。
歩くという行為がその働きの一つです。
子供の頃に覚えた自転車は、20年ぶりでもすぐに乗ることができるでしょう。
無意識領域で、筋肉と関節の動かし方を覚えているのです。


心理面では、不安や恐怖などに無意識で反応することがあります。
不安や恐怖を感じる場所として、脳に扁桃体という場所があります。

例えば、ストレスの原因になる人がいたとします。
始めは、恐怖を感じる場面があり、意識的にストレスを感じていた。
その情報が強く長引くと、扁頭体がどんどん活発に恐怖を感じるようになります。

こうなるとストレスの人をちらっと見ただけでも、扁頭体が働いて恐怖反応が無意識に湧いてきます。
特に意識していない場合でも、同じ空間にいると視界に入り、ストレスが溜まるということになってしまうのです。

意識的に感じている恐怖より無意識に反応する恐怖の方が、扁頭体で恐怖の反応は活発になるのです。
このことにより、何だか分からないけど恐怖や不安が押し寄せてくるというケースが出てきます。

意識的に変えていく

無意識に感じてしまっているところでも、手立てがない訳ではありません。
意識的に、小脳や扁頭体へ良い情報で送り続けることが、一つの方法です。

小脳は、マッサージやストレッチをして筋肉を緩ませることで、筋肉からの情報を正すことができます。
また、目を閉じて両手を水平の位置まで前に伸ばしてみる。
目をパッと開けた時に、両手が同じく水平になっているか確認する。
もし左右に違いがあれば、目で見ながら水平に手の位置を正すことで、視覚から小脳に正しい関節の位置情報を送ってあげます。再教育です。

視覚情報は、人の情報の80%を占めています。
この情報を上手く使いましょう。


続いて、扁頭体へのアプローチ。
扁頭体は、0.何秒のスピードで反応します。
そこで、視覚情報を使ってみましょう。

好きな人や笑顔の写真・ポスターなどをよく通る場所に置いておく。
無意識で視界に入った時、0.何秒で反応する。リラックスな情報。
扁頭体が恐怖と認識せず、安心や安らぎ感の反応を起こしてもらいましょう。
スマホの待ち受け画面を、笑顔の人やほっこりするキャラクターにしておくのも方法です。


意識的にできることから、無意識領域を再教育させていきましょう。
再教育は一度ではなく、何回もやり続けることが必要です。