不安を減らすために体を動かそう

更新日:2022.06.02

執 筆:整体師 飯島淳

不安がぐるぐると頭の中を巡る。

このように不安のサイクルから抜け出せない時には、思考ではなく、体を動かすことで不安から脱出しましょう。

不安が強い人ほど体を動かそう

不安は、脅威・恐怖に対しての予測(危険)が出てくると大きくなります。
さらに、その記憶が強くなればなるほど、脳が不安に占領されてしまいます。
脳内でその不安をコントロールできなくなった時に起こるのがパニック症状です。

不安があると、筋肉に緊張が起こります。
この時は、筋肉組織の中にあるセンサーが過敏になっています。
筋肉のちょっとした緊張が、そのセンサーから脳に強い興奮として入力されていきます。
脳が興奮を受け取れば、交感神経が強く働いてしまいます。
興奮するところはより強く興奮し、抑制をかけたいところは抑制が働かないのです。

不安が強い人とそうではない人で、興奮するべき時の反応の差はほぼありません。
それよりも、興奮しなくてもいい刺激が入った時、神経をリラックスさせる力に大きな差があります。
不安が強い人は、ささいな刺激でも興奮してしまい、上手に神経をリラックスさせることができないのです。
体の力が抜けない人や、何かにびくっと反応する人などです。

不安が強い人ほど、体を動かして脳を活性化していくことが必要です。
体を動かすことで筋肉の緊張を緩ませます。
更に、血流がよくなり脳へ必要な酸素がしっかり送られます。
そして、体を動かしたことによって脳内の神経細胞を新生する力が働きます。
逆に、動かさないと細胞は委縮に向かいます。

不安が強い時は、心拍は速くなります。
体を動かすことで心拍を上げた場合、神経細胞は新たに構築され、心拍が上がっても、心拍数上昇と不安は結び付かなくなります。
心臓がドキドキしたからといって不安が強くなるという流れを断ち切れるようになっていきます。
細胞レベルで教育されていくのです。

そして、体を動かすことで神経を抑制させる神経伝達物質が分泌されます。
筋肉も緩み、神経も抑制でき、神経細胞も新しく作られていきます。
不安を遠ざけるには、体を動かすことが助けとなるでしょう。

体を動かすには何が良いのか

脳の不安を減らすためには、有酸素運動から始めましょう。
出来れば毎日30分のウォーキングやジョギングが効果的です。
それが難しくても、1週間に2~3回は行いたいところです。

心拍数を中強度(最大の65~75%)まで上げることや無酸素運動も時々有効です(220-年齢=最大心拍数)。
また、いつも同じ動きではなく、初めてやるダンスや体の動かし方も脳にいい刺激になります。
インターバルトレーニングも有効です。

どれも継続的に行うことが一番重要です(体の状態次第で休息が必要な時もあります)。

不安を減らしたい時には、じっと考え込むのではなく、しっかり体を動かして、脳の細胞レベルから不安を減らしていきましょう。