夏こそ脳を休めよう

更新日:2025.07.01

執 筆:整体師 齊藤佳穂

夏は体に負担がかかる季節

暑い夏が始まりましたね。
強い日差しに湿度、冷房の効いた室内と屋外の温度差など、この時期は刺激がいっぱいです。
体に刺激が入ると、それに適切に対応しようと、体は一生懸命働きます。

体温の調整をしているのは、脳の視床下部というところです。
暑くても寒くても体温が一定に保たれているのは、視床下部が自律神経を介して汗をかかせ、熱を外に逃がしているからです。
自律神経が乱れると、冷えやのぼせ、微熱、発汗異常などがでるのはそのためです。

また、夏の暑さによって寝苦しくなると、睡眠の質が下がります。
睡眠中には脳の中に溜まった老廃物(アミロイドβなど)が洗い流されるので、睡眠が浅くなるとうまく掃除が出来ず、脳に疲れが溜まりやすくなります。

たくさん汗をかいて体の中の水分や電解質が不足すると、脳の血流や代謝が低下し、だるさや集中力の低下にも繋がります。

このように、夏は脳や自律神経にたくさん負担がかかる季節です。そのため、普段以上に「脳を休める」ことを意識していきましょう。

脳を休めるには?

では、脳を休めるにはなにをしたらよいでしょうか。

「なにもしない」をする

体に良い影響を与えたいとき、「なにかしよう!」と思う方は多いのではないでしょうか。
しかし、意外と大切なのは「なにもしない」ことです。
横になって目を閉じ、ただぼーっとするだけで、働き過ぎた脳はリラックスし始めます。
情報や刺激をシャットアウトして、脳の空白時間を作ってあげましょう。

情報を減らして脳を休めよう

現代の1日の情報量は江戸時代の1年分とも言われています。
気付いたらついスマホを触っていて、SNSやニュースサイトを見てしまう…という人も少なくないでしょう。
そんなとき、脳は休みなく働き続けています。何気なくスマホを見ているだけでも、脳は情報を読み取って判断するため、フル稼働状態なのです。
そのため、通知をオフにする、スマホを隣の部屋に置くなど、デジタルデトックスの時間をとり、脳の休息をはかりましょう。

五感を使おう

心地よい感覚が入力されることで脳の興奮は和らぎます。
風景や動物の写真を見る、川のせせらぎやゆったりした曲を聴く、好きなアロマの香りを嗅ぐ、おいしいものを食べる、扇風機からの心地よい風を感じる、肌触りのよい毛布に包まるなど、感覚を感じる機会を作りましょう。

腹式呼吸を取り入れよう

呼吸が良いというのは、当院に通われている方はよくご存じかも知れません。
特に、お腹を膨らませて行う腹式呼吸は、副交感神経の働きを促し、体を休息モードへと導きます。
また、呼吸と連動して23個の頭蓋骨がわずかに動き、脳に栄養を運び、いらなくなった老廃物を流します。
1時間に1回、4~5回深く呼吸をしてみましょう。


夏は知らず知らずのうちに、脳や自律神経に負担がかかる季節です。
だからこそ、余白や休息をとることが大切です。
脳を労わる夏の過ごし方をぜひ意識してみてください。