緊張とは悪いことなのか

更新日:2020.02.07

執 筆:整体師 飯島淳

緊張するということは、自分にとって悪いことなのでしょうか。
心理的な緊張だけでなく、体の組織の緊張。
両方の面から考えてみましょう。

筋肉の緊張

筋肉には、骨格を動かす筋肉と、心臓・内臓を動かす筋肉があります。
骨格を動かす筋肉は、緊張することで交感神経を働かせ、筋肉が縮まることによって手足が思うように動き運動が出来るようになります。

激しい運動になればなるほど交感神経が働かなければなりません。
筋肉をたくさん使うことによって段々と筋肉が強くなっていきます。

ウエイトトレーニングで、ムキムキの体を作っている人もいらっしゃいます。
出来上がったその体は、努力の証です。
努力してきたことで、自信を得ることもあるでしょう。


地球上に居る限り重力があります。人間は重力に対して常に運動している訳です。
姿勢を保持し続ける筋肉は、無意識でも働いているのです。
宇宙に行くと無重力状態になります。
そこでは、重力に対しての姿勢を保持するという運動がなくなる訳です。
宇宙飛行士が地球に戻って来た時は、その筋肉を使っていなかったので歩けないということが起きます。


筋肉をたくさん使うことによって、溜め込んでいたストレスの発散になります。

ストレスをじっとこらえているとどんどん筋肉が固まっていきます。
筋肉のこわばりが首や肩で起これば、頭痛やめまいなどの原因にもなります。
のどや横隔膜で起これば、息苦しさや胃腸の不調の原因にもなっていきます。

発散・強化の為に使う一時の緊張は、筋肉にとても必要な時があるのです。

筋肉に緊張がないとどうなってしまうのでしょうか。
簡単に言うと重い荷物を持ち上げられない。速く走れない。
これがどんどん進むと、立っていることでも疲労してしまう。
立っていることで使う筋肉で精一杯という訳です。

呼吸するのにも当然筋肉は使います。
筋肉を活動させるだけのエネルギーが無くなってしまうと呼吸もどんどんしづらくなる場合もあります。
酸素が体に入るのが少なくなることで、もっと疲労感が出やすくなります。

心理的な緊張

心理的な緊張を考えると、ストレスでしかないように考えてしまうでしょう。
当然、ストレスの部分は大きいです。

ですが、緊張によって自分の心理的成長にも繋がります。
慣れていないことを取り組むことによって緊張が生まれます。
それを乗り越えた時には、自分の中で成長に繋がります。


数字で例えると、4の刺激でもストレスオーバーになっていた事が、成長したことで7の刺激が加わってもその出来事がストレスオーバーにはならない訳です。

心理的に成長していくことは、これからの人生を豊かにしてくれる大きな財産となるでしょう。
他者から見たらストレスになりそうなことでも、心理的成長が出来ているとダメージが少なく、対応できる範囲は広がっていきます。

このように、緊張とひとえに言っても悪い事ばかりではなく、良いこともたくさんあります。
自分自身の緊張とも仲良くしてあげましょう。受け入れてあげましょう。

重要なのは、「今」その刺激が必要かどうかです。
今の体には、適度な刺激なら段々増やせばいいのです。
ただ、疲弊しきっていてエネルギー切れを起こしているような場合の「今」は、休むこと・新しいことにチャレンジしないことを選びましょう。