休んで回復させる

更新日:2020.12.04

執 筆:整体師 飯島淳

体を休ませて、回復させる。
当たり前のことです。

では、自律神経を整えるためには、どのような方法で休ませればよいかを考えていきましょう。

体は興奮するのが得意

体は、交感神経がしっかり働くように出来ています。

私たちは、産まれてからずっと、心臓を動かし続けなければ生きていけません。
また、生きていくには、各機能が働かなくてはなりません。

心臓には、体中に血液を送り続けるという役割があります。
それにより、酸素や栄養が各臓器や筋肉に運ばれて、働けるようになっています。

心臓がドックンと動くには、交感神経の働きが必要になります。
交感神経が働くことによって、酸素を素早く遠くまで送り続ける必要があると判断され、心臓の動きが速まります。
また、強く早く血液を送るため、血管が縮まります。

興奮と抑制は、同じ量働くのが理想です。
ですが、自律神経が乱れ、交感神経が優位になってしまう場合があります。
すると、副交感神経の働きが低下し、抑制させる機能が弱まってしまうのです。

このまま興奮状態が続くと、血圧は上がり、動悸が出て、不眠症に陥るといった具合になってしまいます。

3つの休ませ方

自律神経を整えるために、3つの休ませ方を意識しましょう。
それは、「体と心と頭」です。

体(脳幹・自律神経の中枢)

筋肉や呼吸・視覚や聴覚をどう休ませるのか、ですが、筋肉でいうと、全身横になって重力に対して抵抗する力を極力使わないようにすることです。
整体などで、筋肉を緩めることも有効です。

呼吸は、ゆっくりと深呼吸を行うことで、副交感神経が働き、休みモードになります。

視覚では、スマホやパソコンからの強い光を多く浴びている現代では、いかに積極的にこれらを見ない時間を作るかが必要です。
また、焦点を合わせずに物をぼんやりと見るのも一つの方法です。

聴覚も、静かな場所に身を置くなどして、休ませることが必要です。

心(大脳辺縁系・情動)

心を休ませるには、本能に従うことが大切です。
休みたい・さぼりたいなど、本能の声を察知して、それに従い、積極的に休んであげましょう。

また、マインドフルネスを定期的に続けることでも心が休まります。
このことで、何とも言えない不安も徐々に和らいでいきます。

頭(大脳新皮質・理性)

頭を休ませるには、頭で考える時間を減らすことが大切です。

人間は頭が発達したので、他の動物よりどうしても理性が働いてしまうのです。

体を感じることに集中する。
呼吸にただただ意識を向ける。
お腹がどのくらい動いているのか、息をどれだけ吸っているのかを感じる。
姿勢に集中する。
今頭はどちらに傾いているのか。
足に体重がかかっているのは左右に違いがあるのか。

このように、体を感じようとすることによって、理性をストップさせることが出来ます。
頭を一時的に休ませることが出来るのです。


自律神経の不調が起きた時、まず「体と心と頭」を休ませることが必要です。
その時、寝る以外にも、それぞれの特徴を把握して対策をとりましょう。