食べるケアと食べないケア

更新日:2022.01.13

執 筆:整体師 橋本静吾

あけましておめでとうございます。令和も4年目を迎えました。

クリスマス、年越し、お正月と、食事の機会が普段より多かったと思いますが、皆さん体調は大丈夫でしょうか。おいしいものを食べて楽しくゆったり過ごせていれば何よりですが、胃もたれやお腹の膨満感、気だるさがある場合には特別なケアが必要です。

食べないで休む

といっても難しいことではなく、単純に「食べないで休んでおく」これだけです。

食べずにいると、胃などの消化器官は食物を消化、吸収するという仕事をせずに済みます。私達が普段当たり前にしている食事は、胃腸にとって負担のかかる仕事なのです。

現代では1日3食バランス良くという食事がよく推奨されていますが、必ずしも万人に適応するものではありません。
元気な人、スポーツを盛んにする人は当然3食でOKです。
ただし、体調が悪い、そもそも食欲がないという人は、胃や腸が正常に機能していないので、無理に食事を摂ると不調が長引きます。

1日3食は必要?

不調なのに食事を摂ろうとしてしまうことは、「1日3食が健康」「食べないと良くならない、元気が出ない」など、いつの日からか植え付けられた固定概念があるからです。

大昔には食事の回数は1日2食だったことがあります。3食に変化した背景には色々な仮説が立てられていますが、その一つに発明家エジソンの関連説があります。
パンやそれを焼くトースターが売れるように3食を提言したという説です。

ビジネス重視で考えられた方式のため、健康的とは言えません。
1日3食が必ずしも必要ではないことを頭に入れておくと、より効果的な体調管理ができるようになります。

体が感じるまま過ごす

例えば、犬や猫は体調が悪い時、がんばって食事をしようとはしません。飼い主がペットフードを出しても手をつけないはずです。
動物達は食欲がないという本能に従って、食べないケアによって回復しようとします。

人間の体も動物と同じく非常に賢くできています。
内臓不調で食欲がないので食べない、喉が渇くから水を飲む、睡眠不足で眠気が強いので昼寝する、といったように、体が感じるままに過ごすことがシンプルかつ一番効果的なケアになることもあるのです。

実際に胃酸や胆汁の分泌や腸の栄養吸収は、エネルギーがなければできません。
疲労時や食べ過ぎ、飲みすぎの時はエネルギー不足になりがちなので、食べずに胃腸を休ませてあげてください。
栄養価の高い食事は不調のない元気な時に摂ることをおすすめします。

食べるケアと食べないケア、状態によってうまく使い分けて体調管理に役立てましょう。