ネバネバ唾液とサラサラ唾液の違い

皆さんは唾液にはサラサラした漿液性(しょうえきせい)唾液とネバネバした粘液性(ねんえきせい)唾液の2つがあるのをご存知でしょうか?

唾液を作っている場所は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つです。
このうち、サラサラの唾液を作るのは主に耳下腺です。
顎下腺、舌下腺、特に舌下腺はネバネバした粘液性唾液を作ります。

唾液が分泌される仕組み

ネバネバ唾液

唾液腺は自律神経の作用によって働きますので、緊張してストレスがかかっているときは交感神経優位になり、口の中にはネバネバした粘液性の唾液が多くなります。
緊張時に口の中がネバついてくる経験は誰でもあると思います。

サラサラ唾液

リラックスしている副交感神経優位のときにはサラサラした漿液性唾液が多く分泌されます。
デンプンを分解するアミラーゼという消化酵素が多く含まれているのはサラサラ唾液です。
そのため、食事はリラックスして食べないと消化が悪くなります。

唾液の役割

ネバネバ唾液

顎下腺と舌下腺から分泌されるネバネバした唾液の役割は殺菌です。
口の中が歯周病菌などで酸性度が高くなっていると口の中がネバつきますが、これは粘液質の唾液で口腔内を保護し細菌を拡散させないようにしています。殺菌しようとする反応です。

交感神経が亢進する緊張時には粘液性のネバネバ唾液が多くなります。
これは交感神経が敵と対峙した時に働くサバイバルモードだからで、怪我に備えて白血球を増やしたり血圧や脈拍を上げる反応とよく似ています。

サラサラ唾液

サラサラ唾液の役割は口臭予防です。
リラックスした状態で耳下腺からたっぷり分泌さることが重要になります。
では具体的に何をすれば良いのでしょうか?

サラサラ唾液を増やす方法

簡単に出来そうなものをご紹介させていただきます。

おすすめは耳下腺マッサージです。
耳下腺は耳の下にあるのではありません。耳の前、上の奥歯を頬の上から押さえたあたりです。
ここを軽くプッシュしながらマッサージしていると耳下腺がゆるんで唾液が出てくるのが分かります。
緊張時、ストレスを感じて口の中が渇いてきたら耳下腺を軽くマッサージして、サラサラ唾液が出やすいようにしておくと良いでしょう。

口が渇くと飴をなめる方がいますが、これは良くありません。
異物反射といって口の中に異物がはいると自動的に唾液が生理反応で出てきますが、飴の糖分のせいで口の中が酸性になり歯周病菌が繁殖しやすくなるので口臭の原因になります。

また、口が渇くとウーロン茶や緑茶をがぶ飲みする方がいますが、これもNGです。
唾液のためには水分補給は必要ですがお茶に含まれるタンニンやクロロゲン酸などのポリフェノールには唾液の分泌を抑制する作用があるので逆効果になってしまいます。口が渇いたときは水を飲みましょう。