息苦しさを改善させるには...?

更新日:2019.08.13

執 筆:整体師 神田昌紀

辛さから抜け出すためのポイントも、やはり心と体です。
このページでは「体と心の繋がりを感じる方法」と「情緒的サポート」についてお話します。

体と心の繋がりを感じよう

まず「体と心の繋がりを感じる方法」としては、本院でも開催しているヨガであったり、院内の冊子に書いてある深い呼吸、またはマインドフルネス、武道(柔道、剣道、太極拳など)があります。

これらに共通しているのは「体の感覚に意識を集中させることが出来る」ということです。
これを行うと今まで経験した脅威、想像上の脅威(~になったらどうしよう)に対して、今の状態に意識を向けるので安心を感じることが出来るようになります。

例えば、ヨガの場合あるポーズでは不安な感じがする、またあるポーズでは安心するというように、体と心の繋がりを感じることでこの繋がりをさらに活性化することが出来ます。

さらに意識的に体を動かすことも出来るので、ガチガチに緊張した筋肉も伸び縮みさせることが出来ます。 そして体が元の状態に近付きやすくなります。
ただ、いきなり今まで緊張していた体を自分で緩和させることは難しいので、整体で緊張を緩め、その時体がリラックスした感覚を感じるのはとても大切です。

また、深いトラウマを経験している人は、感情を言葉で表現することが苦手な人もいます。
そのため、言葉の代わりに感情を体で表現することで、抑圧したものを解放するのが得意な人もいます。
例えば、アート・音楽・ダンスなどをしているときは気分が良いという人もいるようです。

情緒的サポート

次に「情緒的サポート」です。
すでに健療院で施術を受けたことのある患者さんは先生から聞いたことがあるかもしれませんが、これはとても大切です。
簡単にお伝えすると「あなたをサポートしてくれる人が周りにいますか?」と言うことです。
家族、友人、職場の同僚、私たち整体の先生もそうです。

このような人との関わりでは、気持ちを共有したり分かってもらえたりする事で安心・安全な場所や人を作ることが出来ます。
人とは抵抗がある場合は、動物からでも大丈夫です。
犬や猫を飼っている場合は撫でることでホッと自分を落ち着かせることが出来ます。
また整体などで人に触れられることで自覚していなかった体の緊張に気付くことがあります。

トラウマは、過去のトラウマ体験と今現在の状況がリンクして、不安や恐怖などが起こり体の症状になってしまいます。

例えば、お祭りの太鼓の音。
この音は、ある人にはトラウマを再発させるきっかけになることがあります。
「大きなドンドンという音→爆発で恐い思いをした頃の記憶が蘇った」と言うように反応することがあります。
ただし、体や心にとって安心・安全な人や場所であれば、同じ太鼓の音であっても安心・安全な状態で過去に囚われることなく新しい体験が出来るようになります。

そのために「情緒的サポート」はとても大切です。
こうすることで少しずつどんな状況でも体が誤作動を起こさずに日常生活を送れるようになっていきます。


参考文献

  • 身体はトラウマを記憶する 脳・心・体の繋がりと回復のための手法(ヴェッセル・ヴァン・デア・コーク著)
  • PTSDとトラウマのすべてがわかる本(飛鳥井望監修 野間佐和子発行)

「呼吸が浅い、息苦しさと心と体の繋がり」

  1. なぜ、息苦しくなるのか。
  2. 体の状態で、呼吸は変わる。
  3. 呼吸と心。その意外な繋がりとは。
  4. 息苦しさを改善させるには...?