今昔物語 齊藤佳穂 VOL.7

前回は、予定を入れすぎて調子を崩したり、体と心の関係性について学んだりした大学生編でした。

将来は、人の心を支えられるような職に就きたいと思い、体から心を癒すためリラクゼーションサロンに勤めました。
やりがいのある仕事でしたが、施術の内容が決まっており、「ここがつらいから触ってほしい」と言われても、決められた施術箇所から外れていると施術することができませんでした。
次第に店舗運営や研修など施術以外の業務が増え、「希望に沿った施術ができるようになりたい」「お客様と接する機会の多い仕事をしたい」と思うようになりました。

そこで、会社を転職して整体学校に通い、知識や手技を身に着けることで様々な施術のやり方を学びました。
その頃、学校にセミナー講師として来ていた健療院グループ総院長の鈴木先生に出会いました。セミナーでは、今までぼんやり感じていた体と心の関係を理論づけて説明されており、それに基づいた治療方法を教わりました。
その内容に感銘を受け、自分もそんな施術者になりたいと健療院の門を叩きました。

ずっとやりたかったことを始めるので気合は十分でしたが、その反面、体は言うことを聞いてはくれませんでした。
学校に通いながら働いていた会社が激務で、少しずつ体の不調が出てきていたのです。
健療院に入るまでにあった1週間の休みは、初日から起き上がることができませんでした。
これからはやりたいことを仕事にして、今はストレスなんてないはずなのに...。
生きるために必要最低限のことも一苦労で、横になること以外できませんでした。何もしていないのに急に息苦しくなったり、動悸がしたり、悲しくなったりと、休んでいるはずなのに休めていない感じがありました。

当院に来院される方の中にも、忙しかった頃は不調がなかったのに、落ち着いてから急に体調が悪くなったという方がいます。
交感神経によって体が緊張・興奮しており、本来あるはずの不調を感じなくなっているのです。
すると、ストレスがなくなって緊張が緩んだ時、今まで感じてこなかった不調が一気に体に現れます。

当時は、まさか自分がそんなことになっているとは思いもしませんでした。
しかし、健療院での研修を受けると当てはまる部分が多く、自分は自律神経失調症なのではないかと思うようになりました。
自分の不調の原因やその対策を知ることは、不調を改善する大きな手助けになります。
そうして得た知識をもとにケアを行い、施術を受けることで、不調を抱えつつなんとか症状と付き合ってこれました。
今は、不調でできなかった活動も少しずつできるようになり、元気だと色々なことができるんだなぁと、体の大切さを噛みしめています。

今回で、私の今昔物語は終了になります。全7回、お付き合いいただきありがとうございました。



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