夏の疲れは日差しが原因?

更新日:2020.07.06

執 筆:整体師 齊藤佳穂

7月になり暑い日が続いていますね。
夏といえば、きらめく太陽、滴る汗、小麦色の肌...。
なんとなく健康的なイメージがある方も多いのではないでしょうか。

実際、夏に外に出て日光を浴びることで体に良い影響がたくさんあります。
しかし、健康のためにやりすぎてしまうと、かえって疲れてしまう可能性があるのです。
今回は、日光を浴びることのメリット・デメリットについて、お話ししていきます。

日光でビタミン・ホルモン生成

まず、日光を浴びることのメリットは、ビタミンやホルモンの生成に役立つことです。
通常ビタミンは体内で作ることができないため、食物から摂取をしています。
しかし、ビタミンDは日光を浴びることにより、80〜90%を体の中で作ることができます。
夏の日差しであれば5~15分程度で、成人1日の摂取量を生成できるそうです。

ビタミンDはカルシウムの吸収を促すので、骨や歯を丈夫にしてくれます。
また、免疫機能を調節する働きもあるので、体内に入り込んだウイルスや細菌に対して、免疫機能を促します。


また、日光を浴びることで、セロトニンというホルモンが分泌されます。
これは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、心の安定やリラックスに役立ちます。
これが体内で不足することでうつや不眠などが現われると考えられており、日照時間が短くなる冬にうつになる方が増えるのは、セロトニンの分泌が少なくなるからとも言われています。
夏の日差しでは、15分程度浴びると良いとされています。

日差しを浴びると疲れる

では、日光を浴びるデメリットとはなんでしょうか。
それは、疲労物質が増加することです。
日光を浴びると、体内で活性酸素が生成されます。
活性酸素は、本来体内に侵入した細菌やウイルスを退治する働きをしていますが、過剰に生成されることで、体を酸化させ神経細胞を破壊し、疲労が引き起こされます。

マラソン選手でサングラスをかけている人を見かけることがありますが、これはまぶしさを防ぐだけではなく、紫外線をカットして、疲労を防ぐためでもあるそうです。
この活性酸素は疲労だけではなく、老化やガン、心筋梗塞など、様々な疾患の原因になるとも言われています。


活性酸素から体を守るために、抗酸化作用のあるビタミンCが使われます。
ビタミンCには、疲労回復効果があるため、抗酸化のために消費されてしまうと、疲労の回復のために用いられる分が少なくなってしまいます。
このようなことが体内で起こることで、日光を浴びると疲労を感じやすくなるのですね。

日差しとうまく付き合うためには

では、このような日差しによる疲労から体を守るには、どうすればよいのでしょうか。
ビタミンDやセロトニン生成のためには、15分程度日光を浴びることが必要です。
なので、それを超える長時間での外出では日焼け止めなどで紫外線対策をしっかりすると良いでしょう。

また、抗酸化や疲労回復の作用があるビタミンCを摂取することも重要です。
ビタミンCが多く含まれる食材は、レモン、ブロッコリー、キウイフルーツなどですね。
ビタミンCは摂取後2~3時間で体外に排出されるので、毎食摂取できると良いでしょう。

外に出るのがつらい方は、カーテンを開け、日光浴をすることもおすすめです。


少しずつ日常が戻ってきて、外出機会も増えた方も多いと思います。
日差しの恩恵を受けつつ、紫外線対策をしっかりして、疲労を溜めすぎないように過ごしましょう。