血圧と自律神経の働き

更新日:2015.08.15

執 筆:整体師 飯島淳

血圧とは?

血圧とは、「心臓から体全体に血液を押し出す時に、血管の壁にかかる圧力」のことをいいます。

人間が生きて行くためには、体の隅々まで栄養素と酸素を送る血液の流れがとても大切です。

この栄養素と酸素の供給によって、各細胞が活発に活動出来ているのです。
細胞は酸素の貯蓄が出来ないので、絶え間なく血液が送られていなければなりません。

血液の流れ

血液が流れていく血管には、絶えず一定の圧力ではなく、遠くまで血液を送るために力が必要です。
その力を出している所が心臓で、心臓のポンプにより血液を送り出すのです。

肺の働きによって酸素を含んだ血液は、心臓の左心房、左心室の順に送られます。
次に、左心室が収縮して、一気に大動脈へと血液を流します。
この時、大動脈弁が開き、血液が流れるようになっています。

こうして一気に流れた血液が大動脈の壁に圧力を加えると、大動脈壁は外へと押されます。
例えるなら、柔らかいホースの中に水が一気流れる時に、ホースは水の圧力によって押されて膨らむ様子に似ています。

このように、血管に加わっている大きな圧力のことを収縮期血圧(最高血圧)といいます。

左心室が一気に大動脈へと血液を流すと、今度は左心室が膨らみます。
すると、大動脈が元の大きさに戻ろうとして大動脈弁が閉じるので、血管にかかる圧力は最も低くなります。

この時、血管に加わっている圧力のことを拡張期血圧(最低血圧)といいます。

血圧と場所

動脈にかかる動脈圧、細動脈圧、毛細血管圧など、血管にかかる圧力は場所によって様々です。

毛細血管では、脈を打たず一定に保たれています。
心臓に近い大動脈と細動脈とでは、血圧に差があります。

通常、血圧を測る時は、心臓からの血圧が反映されるため、上腕動脈を使用します。
体のどの部分で異常があるのか調べる場合、足の動脈を測ることもあります。

自律神経の働き

血圧は、一日中同じ状態ではありません。
朝や夜によって差があります。

通常は、朝起きてから血圧が段々と上がり始めて、昼間になると高い状態になっています。
そして、夜になるにつれて血圧は低くなっていきます。

この変化のことを血圧日内変動といいます。
この変動は、おもに自律神経の働きによってコントロールされています。

自律神経の種類

自律神経は、交感神経副交感神経の2種類があります。

  • 交感神経
    体を動かすことや緊張状態の時に働く神経です。
    高血圧には、交感神経の活性化が大きく関係しています。
  • 副交感神経
    リラックスするときや睡眠時などに働く神経です。

通常は、朝日が昇り始めると交感神経、日が沈み始めて夜になると副交感神経が働くようになっています。
ですから、血圧日内変動は自律神経と同じように変化していくのです。

交感神経と副交感神経の特徴

特徴 交感神経 副交感神経
脈拍 早い 遅い
血圧 上がる 下がる
血管 縮小 拡張

以上、血圧と自律神経の働きについてお話していきました。