あごと筋肉について

更新日:2015.06.23

執 筆:整体師 飯島淳

あごにかかる力はどれくらいか、ご存知ですか?

  • 食べ物を食べる時
  • しゃべる時
  • あくびをする時
  • 力が入って食いしばる時

あごの筋肉は、日常のあらゆるところで使っています。
あごは、頭の骨にぶら下がっていて、筋肉のバランスによってあごの開け閉めの調整をしています。

あごを開ける筋肉は、それほど強くはありませんが、噛む筋肉はとても強い力で働きます。
物を噛み砕くために、とても強い力が必要なのです。

噛む時は、重力に逆らうように上にあごを動かすので、重力方向に動かす(下に)開けるといった動きよりも力がかかるのです。

人間の噛む力は、大体60~70kgぐらいと言われています。
犬は100kgぐらい。ライオンは400kg。恐竜のティラノザウルスは、3tとも言われています。

あごとバランス

このように、とても強い「噛む筋肉」。
これが噛む時に左右同じように働けばいいのですが、片側に偏って噛むようなことが多いと、歪みが出やすくなってきます。
いつも噛んでいる側の筋肉の方が、縮みやすくなっていくのです。

噛む筋肉が固まっている側は、あごを開く時に柔らかい側よりも開きにくいといったことが起きます。
開こうとしても、筋肉が固いので、伸びてくれないのです。

今まで一度はブランコに乗ったことがある方は多いかと思います。
ブランコは、ロープや鎖が上から吊られていて、座るところに繋がっていると思います。
ロープや鎖の長さが左右で違ったらどうなるのか?
ブランコが揺れる時、まっすぐ動かないでしょう。必ず左右のバランスが悪く動くことになると思います。

この「ロープ」や「鎖」が、あごでいう「筋肉」にあたります。
なので、この筋肉の状態を左右均等にしておくことが非常に重要です。

あごと姿勢

では、この筋肉がバランスを崩す原因は何があるでしょう。
それは、良い姿勢。これがとても重要です。

姿勢が崩れると、あごの左右の筋肉バランスが悪くなります。
片側で噛む癖がついてしまうと、使う筋肉が偏ってしまい歪みの原因になります。
常に両側同じように噛むことを意識しましょう。

あごと歪み

あご以外の影響も多くあります。それは、首や背中・骨盤などの歪み。
あごは、首の影響をとても受けやすいのです。

首に歪みがあると、それに応じてあごの位置が変わってしまいます。
その歪みがずっとあると、首からあごにかけてその位置で固まってしまい、顎関節症などになりやすくなります。

日常から、首とあごの関係には気を付けなければなりません。
食事をするときに、TVなどを観ながら片側を向いて食べていると、首がねじれます。
この時、あごの筋肉は、片方の筋肉が働きやすくなり、左右均等には動きません。

また、テーブルで食事をする時は、正しい姿勢で食べましょう。
両方のお尻に均等に座り、両足をしっかり地面に着く。
足が浮いていたりすると、あごには負担がかかります。

日常で多く取る行動の時に、首とあごの位置、姿勢に注意しましょう。
隣に、悪い姿勢で食事をしている人がいたら、教えてあげましょう。