めまいの原因

更新日:2015.08.04

執 筆:整体師 角道征史

めまいの原因

めまいが起こってしまう場合、当然のことながら平衡系のどこかに問題が生じているということになります。

ただし、足の裏のセンサーがおかしい場合には、めまいというよりもバランス自体をうまく取れなくなることが考えられますし、目の調子が芳しくない場合には、めまいというよりは見え方での不具合ということになるでしょう。

そう考えれば、必然的に、ふらつきの感覚を伴っためまいという現象が起きてしまうその原因は、耳の奥にある前庭系の問題か、もしくは脳の問題であると考えることができます。

いろいろなことが言われていますが、めまいの原因は脳か前庭系のどちらかにあると考えるほうが自然でしょう。

それでは、実際に前庭系と脳において一体何が起きているのかを見ていきましょう。

めまいの原因となる器官

めまいが起きるという事態に至った場合、それはバランスを司る前庭系か脳に不具合が発生しているということを意味します。

バランス機能が働かない理由は、構造的にその部位が障害されているか、機能の低下が起こっているかのどちらかになります。

といった部位の障害としては、構造的問題やウィルス性の炎症、腫瘍による圧迫や、血栓や梗塞などによる虚血状態などが考えられます。

機能の低下については、トータルストレス量の過剰による脳の機能低下、つまり自律神経の失調状態や、栄養の不足によるもの、頭頚部の歪みによる血流の不足からくるものなどが考えられます。

では次に、それぞれの部位でどのようにめまいが起こるかを見ていきます。

前庭(三半規管、耳石器)

めまいの原因として最も多いとされるのが、耳石の剥離から半規管への混入によって生じる「良性発作性頭位めまい症」で、要は異物の混入によってめまいが引き起こされてしまうパターンです。

めまいというと、パッと頭に浮かぶのはメニエール病ですが、これは内耳のなかの膜迷路と呼ばれる器官を満たしている内リンパ液が過剰に増えることによって、内リンパ水腫が発生するものですね。

また、血流の不足、つまり栄養不足による機能低下によってめまいが起こるとも考えられるため、神経血管走行部、つまり頭頚部の歪みや凝りについても考慮する必要があります。

前庭神経

もっとも代表的なのは、ヘルペスウィルス等によって前庭神経が障害されることで引き起こされる「前庭神経炎」です。
これは伝達経路の不具合によってめまいが生じるパターンですね。

そのほかに、当然のことながら神経血管走行部の状態を考える必要があります。

脳本体の障害としては「脳腫瘍」など、栄養不足によるものとしては「脳血管障害」が考えられます。

どちらにしても命にかかわる状態なので、めまいよりもより重篤な神経系の症状を伴うことが一般的です。

さらに、ストレス過剰によって負荷がかかり過ぎたために脳の機能低下からめまいが起こることもあります。

これは、自律神経の乱れによるものと言えます。