甲状腺がんと良性腫瘍

更新日:2018.07.02

執 筆:整体師 荒木晶子

単純性びまん性甲状腺腫

思春期に多い「単純性びまん性甲状腺腫」はただ甲状腺が腫れるだけで、痛みも全身症状もなく、治療の必要もありません。
甲状腺ホルモンの材料となる海草類を食べる機会の少ないヒマラヤやアンデス地方でも多く発症するといわれています。

良性結節性甲状腺腫

甲状腺にこぶ(結節)ができる「良性結節性甲状腺腫」は、痛みや全身症状はないのですが、橋本病や甲状腺がんが潜んでいないか精密検査が必要です。
また、一度大きくなった結節は小さくなることは少ないため、薬物療法や手術が必要になることもあります。

甲状腺がん

結節性甲状腺腫が悪性の場合は「甲状腺がん」となりますが、進行が遅いため早期発見の手術でほぼ100%治るといわれています。
ごく稀に高齢者に発症する「未分化がん」は進行が早いため注意が必要ですが、発症頻度は約1%と低く若年層にはほとんど見られません。

合併症は、声帯を動かす反回神経を損傷した場合の声がれ、副甲状腺損傷による機能低下症による血中カルシウムの不足による手足のしびれや痙攣(テタニー発作)などがありますが、専門医のもとであれば起こる可能性は低いとされています。

他の治療法には、放射線療法、放射性ヨード内用療法があります。